1952 年頃に Praktina というマウント規格のカメラが生産されていたようです。
Praktica という有名なマウントがありますが、このレンズはそれと間違って購入したものです。
写真のように殆ど傷もない美品が相場の半額以下で ebay に出品されていて、怪しいなと思いつつポッチってしまいました。
Practica → Sony E のマウントアダプターも用意して到着を待っていたのですが、届いてアダプターを装着しようとして初めて違いに気が付きました。
調べてみると Practina の安価なマウントアダプターはどこにもないようで、レンズが異常に安かったのはその辺の理由だったのかもしれません。
何とか使えるようにしたいと、マウントアダプターの代用になるものを探してみました。
Carl Zeiss Jena Sonnar 4/135 (Praktina) :: Silver Model 1950~
Carl Zeiss Jena Flektogon 2,8/35 (Praktina) :: Gutta Percha Model 1958~
利用したのはこれ、天体望遠鏡に一眼レフカメラをセットするために使用する T マウントアダプターです。
カメラ側のマウントは CANON EF マウントになっています。本当は Leica M マウントが欲しかったのですが見つかりませんでした。
Amazon などで探せば安価なものが販売されています。
3 ヵ所のイモネジを緩めて内側のリングを取り外します。
内側のリングは使用しないので廃棄します。
取り外したリングの直径は 52mm 程度となっています。
これくらいの直径がちょうどよい感じです。小さければ入らないし、大きければ隙間があき過ぎて固定できません。
全ての T マウントアダプターが同じサイズになっているという保証はないので注意してください。
3 ヵ所のイモネジでレンズに T マウントアダプターを固定します。
レンズの▲マークが上になる位置で固定します。
レンズのマウント部に小さくイモネジの傷が付いてしまいますが気にしないことにします。
イモネジの先端が尖り過ぎているので少し削って平らにした方が良さそうです。
カメラにセットして無限遠が出るか否かチェックしてみます。
レンズ→T マウントアダプター→EOS-LM→LM-EA7→カメラという構成です。LM-EA7 は MF モードで無限遠になるように設定しています。
無限遠の位置はぴったりでした。
T マウントのフランジバックは 55mm、Parktina は 50mm です。5mm も違えばどうやったってアンダーインフになってピントは合わないはずなのですが、どちらのレンズも何故か気持ち悪いくらいぴったり合っています。
理由はよくわかりませんが、結果オーライとします。
マウントアダプターは少しオーバーインフになるように作ってあるものが多いので、3 段も重ねていることが功を奏しているのかもしれません。
実際、SONY E 用の T マウントアダプターではアンダーインフになってしまい無限遠が出ませんでした。
ちょっと試写してみます。
Sonnar 135mm F4 の方は・・・若干逆光とは言え、コントラストが全くとれません。
α7IV A Mode 1/320 F4 ISO=3200 Cleative Look=ST WB=Auto
Flektogon 35mm F2.8 の方は全く問題なさそうです。
α7IV A Mode 1/1000 F2.8 ISO=3200 Cleative Look=ST WB=Auto
外観はとても綺麗ですが、Sonnr 135mm F4 のレンズは酷くくもっていたようです。
外してクリーニングするしかなさそうです。
まずは後玉を取り出します。
① この押さえをゴムのオープナーで回して外し、鏡胴を分離します。
② 分離された鏡胴。
③ 後玉が入ったケースを反時計回りに回して外します。
④ レンズ固定用リングをカニメレンチで緩めて外すと後玉が取り出せます。
次に前玉を取り出します。
① ゴムのオープナーで化粧リングを外します。
② 前玉と中玉が入ったケースはここをカニメレンチで緩めて外します。
③ 鏡胴からレンズケースが外れたところ。
④ レンズ押さえ用のリングをゴムのオープナーで外すと前玉が取り出せます。中玉はとても綺麗なので今回は触らないようにします。
かなり綺麗になりました。
中性洗剤で洗って、水染みが残らないようにブロアーで水を飛ばしながらヘアードライヤーの前で乾かして素早く組み込みました。
結局この方法が一番綺麗になります。
再度試写してみます。まずは Sonnar 135mm F4 から・・・
かなり良くなりました。
α7IV A Mode 1/640 F4 ISO=3200 Cleative Look=ST WB=Auto
ピント面もボケも良い感じです。
α7IV A Mode 1/1600 F4 +0.5EV ISO=400 Cleative Look=ST WB=Auto
α7IV A Mode 1/1000 F4 -0.5EV ISO=200 Cleative Look=ST WB=Auto
無限遠もばっちりです。
α7IV A Mode 1/2000 F4 -1.0EV ISO=200 Cleative Look=ST WB=3500K
開放からかなりキレッキレで 1950 年代のレンズとは思えない写りです。
α7IV A Mode 1/640 F4 -0.5EV ISO=200 Cleative Look=ST WB=Auto
次は Flektogon 35mm F2.8
ピント面とボケの感じ。
α7IV A Mode 1/4000 F2.8 -0.2EV ISO=200 Cleative Look=ST WB=Auto
α7IV A Mode 1/3200 F2.8 -0.3EV ISO=200 Cleative Look=ST WB=Auto
開放だと少し甘い感じですが、無限遠もばっちりで周辺減光も少なめだと思います。
α7IV A Mode 1/8000 F2.8 -0.5EV ISO=200 Cleative Look=ST WB=3500K
少し絞ればすっきりして周辺減光もなくなります。
α7IV A Mode 1/160 F8 +0.8EV ISO=100 Cleative Look=ST WB=Auto
太陽を入れるような写し方をしてもゴーストは少なめです。
α7IV A Mode 1/2500 F22 -0.5EV ISO=200 Cleative Look=ST WB=3500K, Photoshop Retouch